契約書印刷のマナーについて

契約書を印刷する際には、その重要性からいくつかのマナーと注意点があります。契約書にもパソコンなどで必要部数の2部ないし3部を出力して相互に一部ずつ保存する契約書と、上質紙や複写の用紙(ノーカーボン紙)を使って、法人企業などが大量に印刷する契約書の2つの契約書のスタイルがあります。ここでは、パソコンなどで必要部数を印刷かる契約書を中心に解説します。

契約書印刷マナー

1)契約書の用紙の選択 (契約書に適正な紙の厚さ)

1、高品質な用紙を使用する

 一般的なコピー用紙ではなく、少し厚手で丈夫な上質紙(例:90kgまたは110kg)を選びましょう。長期保存に耐え、安っぽく見えないため、相手に与える印象も良くなります。大量に印刷するノーカーボン紙の印刷も相手に渡す用紙は、比較的厚めのN80以上の厚手の紙を使うとよいです。適正な紙の厚さは、下記を参照にしてください。

※ 表中にある適正は、契約書のページ数でも異なります。

2、上質紙を使用する理由

上質紙を使う理由は、契約書は割り印、契印など印鑑を多用するために、コート紙やマット紙は、印鑑がにじんでしまい、印鑑の乾かし待ちにも時間がかかるためです。ノーカーボン紙は、コート紙やマット紙と異なり印鑑との相性は非常によく、印鑑の乾きも早いのが特徴です。

 ・サイズ: A4サイズが一般的です。感熱紙や再生紙は避けましょう。

3、適正なプリンタ用紙を使う

 ご自分の使用しているプリンタが、レーザープリンタかインクジェットプリンタかよく確認してプリンタ用紙を注文することが大切です。使い慣れない厚での用紙を頼む際に、普段使い慣れたプリンタでも注文しなれた用紙が、レーザーかインクジェットかどちらか分からないこともよくあります。プリンタによっては、適正な紙を選ばないと大切な契約書の印字が擦れたり、経年で印字が薄れてしまうと台 無しです。

2)契約書の印刷の品質

  • 鮮明な印刷: 文字がかすれたり、薄かったりしないよう、インク残量を確認し、高品質な印刷を心が
     けましょう。
  • なるべく片面印刷にする: 契約書は通常、片面印刷が推奨されますが、文章の内容によっては両面印
     刷でも問題ありません。片面印刷は、後で追記が必要になった場合や、一部を差し替える場合に便
     利です。また、ページの確認もしやすくなります。
  • 余白の確保: 製本やファイリングを考慮し、上下左右に適切な余白(特に左側)を設けて印刷しま
     しょう。

3) 契約書の製本と保管

左綴じ: 一般的に、契約書は左綴じで製本します。ホッチキスで留め
るか、製本テープや契約書用の袋とじ製本キットなどを使用します。

契約書見本
  • 契印: 複数のページにわたる契約書の場合、ページの抜き取りや差し替えを防ぐため、すべてのペー
     ジにまたがるように契印を押します。これは、製本した後に当事者双方が押すものです。
  • 保管: 印刷後は折り曲げたり汚したりしないよう、クリアファイルなどに入れて大切に保管しましょ
     う。

4)印刷前の最終確認

  • 誤字脱字の確認: 印刷前に、内容に誤字脱字がないか、日付や署名欄などが正確か、必ず最終確認を
     行いましょう。
  • ページ順の確認: ページが正しい順序で印刷されているか確認します。

5) 契約書の「契印と割印」について

 契約書を製本する際に割り印を押すのは、主に「契印(けいいん)」と呼ばれるもので、ページの抜き取りや差し替えを防ぎ、契約書の一体性を証明するためです。複数のページにわたる契約書をホチキスで留めたり、袋とじに製本したりした場合、契約書の継ぎ目に契印を押すことで、後からページが改ざんされていないことを証明できます。もし契印がなければ、ホチキスを外してページを抜き取ったり、新しいページを差し込んだりしても、見破ることが難しくなってしまいます。

 製本された契約書では、通常、表紙と裏表紙に、製本テープや綴じ代をまたぐように押印します。これにより、すべてのページが最初から一体の文書であったことが証明されるわけです。ただし、割り印契印は似ていますが、厳密には役割が少し異なります。

  • 契印(けいいん):1つの契約書が複数ページにわたる場合に、ページの連続性を証明し、抜き取り
     や差し替えを防ぐ目的で押す印鑑です。
  • 割印(わりいん):同じ内容の契約書を複数部作成し、当事者がそれぞれ保管する場合に、それらが
     同一の内容であることを証明する目的で押す印鑑です。書類を少しずらして重ね、両方の書類にま
     たがるように押します。

 どちらも文書の改ざんや不正を防ぐためのものですが、契約書が複数ページにわたる場合は契印、複数部ある場合は割印というように使い分けられています。どちらも契約の有効性には直接影響しませんが、将来的なトラブルを避けるために重要な役割を果たします。

 以上、これらのマナーやルールを守ることで、契約書の信頼性を高め、相手に誠実な印象を与えることができます。ご自分で契約書を作成する際は、ご参考にして頂ければ幸いです。

〇 契約書の印刷はプリントフェスタでも印刷できます。
 契約書、申込書の印刷