伝票の完全電子化に向けた課題
紙の伝票と電子化の使い分けには、多くの課題が存在します。企業の規模や業種、業務内容によって適切なバランスを見つける必要があります。主な課題は以下の通りです。
1)システム導入・運用コスト
・課題: 電子伝票システムを導入するためには、初期費用や月額利用料、インフラ整備費用がかかります。また、従業員への研修費用や、システム保守・運用にかかる人的リソースも必要です。
・解決策: 費用対効果を慎重に検討し、自社の予算や業務量に合ったシステムを選定することが重要です。中小企業向けに提供されている安価なクラウドサービスも選択肢の一つです。

2)法令対応とセキュリティ
・課題: 2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法では、電子取引のデータ保存が義務付けられました。しかし、紙の伝票の保存義務もまだ残っているため、どちらの法令にも対応できる体制を構築する必要があります。また、電子データには情報漏洩のリスクが伴うため、強固なセキュリティ対策が不可欠です。

- ・解決策: 電子化に対応した経理システムを導入し、法令に準拠した形でデータを管理します。また、アクセス権限の設定やログ管理など、セキュリティ対策を徹底します。
3)業務フローの見直しと従業員の習熟
・課題: 紙から電子へ移行する場合、これまでの業務フロー全体を見直す必要があります。伝票の承認プロセスや保管方法などが変更になるため、従業員が新しいフローに慣れるまでに時間がかかることがあります。特に、ITリテラシーが低い従業員がいる場合、操作方法を覚えるのに苦労する可能性があります。

・解決策: 移行前に十分な周知と研修期間を設け、従業員が新しいシステムをスムーズに使えるようにサポートします。マニュアルを作成したり、問い合わせ窓口を設けたりすることも有効です。
4)複数システムの連携
- ・課題: 電子化した伝票データと、既存の会計システムやERPシステムとの連携がうまくいかないことがあります。データ形式が異なったり、API連携ができなかったりする場合、手作業での入力が発生し、かえって業務効率が低下する可能性があります。
- ・解決策: 伝票システムを選定する際に、既存のシステムとの連携性を重視します。連携機能を持つシステムを選んだり、必要に応じてカスタマイズ開発を行ったりすることも検討します。
5)紙と電子の混在
・課題: 取引先によっては、依然として紙の伝票や請求書しか発行しない場合があります。また、社内の特定部署だけが紙の伝票を使用している、というケースもあります。紙と電子の伝票が混在することで、管理が煩雑になり、二重入力や入力漏れのリスクが高まります。

- ・解決策: 取引先に対して、電子伝票への移行を働きかけます。社内でも、可能な限り電子化を推進し、紙の伝票を減らす努力をします。やむを得ず紙の伝票が残る場合は、スキャンして電子データとして保存するなど、管理方法を統一することが重要です。
これらの課題を解決するためには、まず自社の現状を正確に把握し、段階的に電子化を進めることが重要です。一気にすべてを電子化するのではなく、まずは一部の伝票から移行するなど、スモールスタートで取り組むことで、リスクを抑えながら効果的な導入が期待できます。
自社の伝票の種類、作成頻度、電子化への対応状況、予算などを考慮して、最適なサービスを選択することをおすすめします。
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