金券とチケットの役割の違い

「金券」と「チケット」は、どちらも「券」という共通点がありますが、その用途や性質において明確な違いがあります。以下に金券とチケットの役割を紹介します。

1)金券(きんけん)とは

「金券」とは、現金そのものではないものの、現金に準じる形で特定の範囲内で金銭的な価値を持つ証券やカード類の総称です。

  • 価値の形態: 「金額」が明記されており、その金額分の商品やサービスと交換できます。
  • 用途の柔軟性: 基本的には、記載された金額の範囲内で、複数の商品やサービス、または多岐にわたる店舗で利用できる汎用性を持つものが多いです。例えば、百貨店共通商品券、JCBギフトカード、Amazonギフトカードなどは、様々な商品を金額内で自由に選んで購入できます。新幹線の回数券なども、金額に相当する乗車券として使えます。
  • 換金性: 金券ショップなどで額面より低い価格で現金化できる場合があります。
  • : 商品券、ギフトカード(百貨店共通、ビール券、おこめ券など)、プリペイドカード(WebMoney、Google Playカードなど)、新幹線回数券、図書カードなど。

2)チケットとは

「チケット」とは、特定の行為やサービスを利用する「権利」を証明する券片を指します。多くの場合、その券自体に金銭的な価値が明記されているよりも、利用できるサービスやイベントの内容が特定されています。

  • 価値の形態: 特定のイベントへの入場、特定の場所への乗車、特定のサービスの利用など、「行為」や「権利」が記されています。金額が明記されていても、それはその権利を得るための対価であって、額面分の商品を選ぶという性質ではありません。
  • 用途の限定性: 基本的に、そのチケットに記された特定の目的(イベントへの入場、交通機関の利用など)にのみ使用できます。他の商品を購入したり、別のサービスに利用したりすることはできません。
  • 換金性: 金券のように広く現金化されることは稀です。転売はされることがありますが、額面を基準とした買取はあまり一般的ではありません(一部のチケットを除く)。
  • : 映画の入場券、コンサートチケット、スポーツ観戦チケット、電車の乗車券、航空券、遊園地の入場券、食券(特定のメニューのみに使えるもの)など。

3)チケットは金券か

チケット」が金券に当たるかどうかは、そのチケットの種類と性質によって異なります。
前述のとおり、金券は「現金に準じる形で流通し、一定の金額的価値を持つもの」を指します。この定義に照らし合わせると、チケットが金券に当たるかどうかは以下のようになります。

  • 1, 金券にあたる可能性が高いチケットの例
  • 前述のとおり商品券、ギフトカード、プリペイドカード、新幹線回数券、図書カードなどは、金券に該当しますが、興行チケット(映画、コンサート、スポーツなど)の「引換券」や「ギフト券」なども特定の金額分の価値を持ち、換金性がある場合は金券とみなされることがあります。
  • 2, 金券に当たらない可能性が高いチケットの例
  • 割引チケット(クーポン券): 特定の商品やサービスを割引価格で提供するもので、金額そのものの価値ではなく「割引」という特典を提供するため、金券とは異なります。
  • 入場券、乗車券(通常の1回券など): 特定の場所への入場や移動の権利を示すもので、通常は換金性がなく、金券とはみなされません。
  • 株主優待券: 特定の企業の商品やサービスを優待価格で利用できるもので、換金性が限定的であるため、金券とは異なる扱いになることが多いです。
  • 3, 判断のポイント:
    ・金額的価値が明示されているか: チケットに具体的な金額が記載されているか。
    ・換金性があるか: 金券ショップなどで現金に換えられるか。
    ・用途の汎用性: 特定の商品やサービスに限定されず、幅広い用途に使えるか。

これらの要素を総合的に判断して、そのチケットが金券に当たるかどうかを判断することになります。

まとめると

項目金券チケット
主たる価値金銭的な価値(〇〇円相当)特定の権利・行為の証明(入場、乗車、利用など)
用途の柔軟性比較的広い範囲の商品・サービスに使える特定のイベントやサービスに限定される
換金性金券ショップなどで現金化できる場合がある原則として現金化できない(転売はされる)
具体例商品券、ギフトカード、プリペイドカード、回数券入場券、乗車券、航空券、コンサートチケット、食券

このように、「金券」は「お金の代わり」としての機能が強く、「チケット」は「特定の経験やサービスを利用する許可証」としての機能が強い、と考えると理解しやすいでしょう。ただし、新幹線の回数券のように、金銭的な価値を持ちつつも特定の用途に限定されるため、「金券」と「チケット」の両方の要素を持つものもあります。

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