伝票ってどれのこと?納品書・請求書・領収書の違いと『あの紙』の正体

伝票とは何か、納品書・請求書・領収書の違いと「あの紙」の正体を解説するイメージ

「伝票」って、領収書のこと?それとも請求書?納品書?

このへんがごちゃっとなるのは、
“伝票”が特定の書類名じゃなくて、口語で広く使われがちだからと考えられます。

この記事では、そんなごちゃっとなりそうな
伝票・納品書・請求書・領収書を「何を証明する紙か」「いつ使う紙か」で一発で整理します。

そして後半では、伝票と言われがちな『あの紙』。
お会計で渡される紙、公共料金の紙、レシート、宅配の紙―――。

これらの紙の正体についても、一つずつ暴いていきます。


伝票・納品書・請求書・領収書は何が違う?

伝票と納品書・請求書・領収書の違いを役割とタイミングで整理した要約図

結論から言うと、
「伝票」は”取引内容や金額、受け渡しなど業務上の記録“の書類の総称であり、
特定の書類の名前ではありません

そして、納品書・請求書・領収書はいずれも
「伝票」と総称される書類の一種に当たります。

書類名使われるタイミング主な役割
伝票取引内容や金額、受け渡しなど業務上の記録の書類の”総称・通称
納品書商品・サービスの提供時納品内容の確認・受領の記録
請求書取引後(締め日・請求時)代金を請求するための書類
領収書支払い完了時代金を受け取った事実の証明

このように、納品書・請求書・領収書の違いは
「何を証明する書類か」と「使われるタイミング」にあります。

名前が違うから別物なのではなく、
何を証明するために存在しているか」が違うということです。


取引の流れで見ると、違いがより分かりやすくなる

これらの書類は、
取引の流れの中で次のように使い分けられます。

設計 → 見積 → 納品 → 請求 → 支払

この流れに当てはめると、

納品時:納品書
→ 何が・いつ提供されたかを確認

請求時:請求書
→ いくら支払う必要があるかを伝える

支払い完了時:領収書
→ 支払いが完了した事実を証明

といったように使われます。

同じ取引に関する書類でも、
使われる場面と目的が異なるため、書類が分かれている
というわけです。


なぜ混同されやすいのか

これらの書類が混同されやすい理由は、とても単純です。

・金額が書かれている
・取引に関係している
・紙で渡されることが多い

この3つの共通点があるため、
実務や日常会話ではまとめて「伝票」と呼ばれることが多くなります。

たとえば、

「お会計の伝票ここに置いておきますね」
「ガスの伝票どこに置いたっけ?」

といった使われ方です。

これは正式名称ではなく、
現場での通称・口語表現として定着している呼び方だと考えると、
違和感なく理解できると思います。


ここまでで、
伝票・納品書・請求書・領収書の違いそのものは整理できたと思います。

では、お店や現場でよく見聞きする
「あの複写の紙」や「あの取引の時に受け取る書類」は
どれに当たるのか。

次の章では、
よく伝票と呼ばれている”あの書類”の正体について、
もう一段階具体的に見ていきます。

伝票の種類や、発注までの流れ(仕様・入稿・加工)までまとめて知りたい方は、
こちらで全体像を整理できます。

伝票印刷の教科書|種類・発注・設計・電子化まで印刷会社が徹底解説


「これも伝票?」よく見かける”あの”書類の正体

伝票と呼ばれがちな紙(お会計・公共料金・レシート・宅配)の正体を整理する導入イメージ

ここまでで、納品書・請求書・領収書の違いは
「何を証明する書類か」と「使われるタイミング」で整理しました。

ではここで、多くの人が「伝票」と聞いたときに
頭の中で思い浮かべる『あの紙』の正体について、ひとつずつ暴いていきましょう。


べりっと剥がす『あの紙』の正体

べりっと剥がす小さめの汎用業務伝票(B6前後)の例

結論から言うと、あの「切り離す小さめの紙」は、
用途を選んで使う汎用型の業務伝票です。

サイズはB6(128 × 182mm)前後の小型サイズで、伝票でよく作られている定番サイズのひとつ。
だからこそ「このサイズの紙 = 伝票」というイメージが持たれやすくなります。
(※単式もあれば、複写タイプもあります。)

ただし、大事なのはここで、
この形やサイズだけで「納品書」「請求書」「領収書」と決まるわけではありません。

市販品でも印刷会社のテンプレでも、使い方に合わせて”印刷される項目”が変わります。

・納品の確認として使う → 納品書
・支払いを求めるために使う → 請求書
・支払いを受け取った証明として使う → 領収書

つまり、形で役割が決まるのではなく、
役割を選んで作っているのが、この伝票の正体です。

なぜ今でも複写伝票が選ばれ続けるのか?電子化時代でも紙が強い3つの理由


飲食店で渡される「お会計の伝票」の正体

飲食店で渡される会計用の伝票の画像

飲食店で「お会計の伝票です」と渡される紙。
多くの場合、領収書ではなく、会計を進めるための管理伝票となります。

支払い前の段階では、
注文内容と金額を確認して、会計を成立させるための紙なので、
支払い完了の証明にはなりません。

また、請求書のように見えても、
取引先に対して「この金額を支払ってください」と通知するタイプの
いわゆる請求書とは、役割が少し違います。
(追加注文や修正が入るのは、経験がある人も多いはずです。)

つまり、飲食店での”会計の伝票”は「支払いを証明する書類」ではなく、
「支払いを成立させるために確認・確定する紙」と言えます。


公共料金の”伝票”は「伝票であり、伝票ではない」

公共料金の案内書類の画像

ガス・電気・水道などで「伝票」と呼ばれがちな紙。
あの正体は「帳票寄りの請求書」だと考えると整理しやすいです。

ここでいう違いは、会計論ではなく”作られ方”の違いです。

伝票:取引を「記録・処理」するための紙(現場運用/手書きや複写を想定)
帳票:システムで発行される書類(請求や案内など、情報がまとまっている)

公共料金の紙は、1枚の中に、
(ガスなら)検針 → 使用量の計算 → 請求額の算出 → 支払い案内
といった要素がまとまっていることが多いです。

そのため、
書類としては「帳票に寄った請求書」と整理できます。

つまり、公共料金の”伝票”は、
「伝票的な役割を含みつつ、作られ方は帳票に近いーそんな”中間”の書類」だと考えると整理できます。


レシートの正体

レシートの画像

買い物をすると必ず出力されるレシート。
これは役割で見ると「簡易的な領収書」と言えます。

要するに「この金額を支払いました」という事実を、最低限の情報で示す紙です。

気軽に捨てられがちですが、
支払いの証拠として成り立つため、状況によっては
経費精算や手続きの場面で、支払いの根拠として保管を求められることもあります。

つまり、レシートは”伝票っぽい紙”ではなく、
支払い完了を示す「領収書側の紙」と考えるのが自然です。


宅配の”伝票”の正体

宅配の送り状(配送伝票)の画像

宅配で使う複写式のことが多い『あの紙』も「伝票」と呼ばれますが、
これは金銭のやり取りを証明する紙ではありません。

正体は、送り状(配送伝票)になります。
荷物を「誰から誰へ/どこへ送るか」を記録して、受け渡しを成立させるための紙。

つまり、宅配の伝票は「お金の証明」ではなく、
配送と受け渡しの記録・証明のための伝票になります。


まとめ:違いは「役割」と「タイミング」。「伝票」は通称として広がる

納品書・請求書・領収書の違いは、
結局「何を証明する書類か」と「いつ使うか」で整理できます。

納品書:何を・いつ提供したか(納品の確認)
請求書:いくら支払ってほしいか(支払いの依頼)
領収書:支払いが完了したこと(受領の証明)

伝票」… これらをまとめて呼ぶ総称・通称

また、日常では、お会計の紙・公共料金の紙のように金額にかかわるものだけでなく、
宅配の送り状(配送伝票)のように「受け渡しを成立させる紙」もまとめて「伝票」と呼ばれます。

だから迷ったら、名前や見た目よりも、
「この紙は何のために存在しているか」を見る。

これだけで、大体整理できます。

また、「どんな内容の伝票か」ではなく、
どんな紙で伝票を作るか」についてはこちらの記事で整理しています。

伝票の種類と違いが一目でわかる|単式・複写・感熱など紙タイプ別にやさしく解説