A4サイズ(210×297mm)の請求書について

 A4のサイズは、横は210mm、縦が297mmですが、A4サイズは伝票でも多く使われるサイズです。特に請求書や契約書の印刷では、よく使われます。A4サイズは、チラシからパンフレット、コピー用紙、ノートから履歴書などに至るまで、多くの印刷物の紙サイズとして多用されています。では、なぜA4判が公文書や民間のビジネス文書でも最も標準的なサイズになったのか、詳しく見てみていきます。

A4が、なぜ標準サイズになったのか

 1990年初頭までは、国の行政文書などもA判を使ったりB判を使ったりとバラバラで、管理する点からも非常に効率が悪い面がありました。そこで1993年に国の各省庁で扱う行政文書を、原則A4に統一しようとする取り決めが実施されました。これにより民間企業でも、正式書類や伝票などをA4に統一する流れになり、今では一般的にA4判が普及して標準サイズに定着していますが、1993年の行政的な取り決めが、A4サイズ標準の発端になったようです。

請求書にA4判が多い理由

 伝票の中で、A4判が最も多いのは、請求書です。請求書も手書き請求書よりプリンターで出力する台紙の印刷が多いですが、送付された請求書を綴るフォルダやファイルがA4判に統一されているのも、一因かと思われます。そこで、請求書でA4判が多用される理由を下記に纏めてみました。

1) 国際的な標準規格である。(ISO 216)

〇 A4は、国際規格(ISO 216)で定められている紙のサイズであり、
 日本やヨーロッパを含む多くの国で標準サイズになっている。

〇 公文書や民間のビジネス文書でもほとんどがA4サイズで統一されており、
 業務上の取引でも相手先との整合性が取れるために請求書などにも適している。

2) A4判がコピー機やプリンターに標準設定してある

〇 コピー機、プリンター、FAXに至るまでA4サイズを
  標準用紙としてあるので、コピーや複写が容易である。


3) 発送条件や保管用品の充実

〇 A4判の請求書は印刷後に郵送・保管することが多いので、
封筒、ファイル・ホルダーなどの規格と整合性が高い。また、
請求書は保管義務があるために、ファイル、バインダーとの
整理・保管のしやすさが欠かせません

4) 請求項目などを効率的に掲載する丁度良いサイズ

〇 A4判の請求書はB5判などと比較しても、取引先名、振込先情報、品目、数量、金額、その他の情報を掲載して、情報量と読み易さのバランスが丁度よいサイズ感である。

5) 取引先の受け入れ態勢と習慣

〇 官公庁や多くの企業は、請求書等をA4サイズで受け取ることを前提に、事務処理を行っており、異な るサイズの請求書は、扱いにくいことがある。

以上、請求書にA4サイズがよく使われているのは、国際的な標準規格であること、コピー機やプリンターの標準設定、郵送のしやすさ、多くの企業のビジネスシーンで慣習として定着している、丁度良いサイズ感など不動の要因が重なったのが主な理由です。これらの理由から、請求書にはA4サイズが広く採用されています。