
伝票って、いろんな種類があって正直わかりにくいですよね。
「納品書や領収書」など使い道の違いもあれば、
「単式・複写・感熱紙」といった紙そのものの違いもあります。
しかもこの二つ、混同されがちですが、実はまったく別の話。
“どんな内容の伝票か”と“どんな紙で作るか”がそれぞれ選ぶポイントになるんです。
この記事では、その中でも後者――伝票の紙の種類と選び方に焦点を当てて、
「どれを選べばいいかわからない」という方に向けてやさしく解説します。
読めば、自分の使い方にぴったりの伝票が見つかりますよ。
伝票の種類と違いが一目でわかる|単式・複写・感熱など紙タイプ別にやさしく解説
1.伝票にはどんな種類がある?まずは基本の3タイプをチェック!

「伝票ってどれも同じ紙でしょ?」と思われがちですが、実はまったく違います。
印字の仕組みや使い方の目的によって、大きく 「単式」「複写」「感熱」 の3種類に分かれています。
種類 | 特徴 | 印字方法 | 保存性 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
単式伝票 | 一枚だけで完結。最もシンプルで手軽。 | 手書き・プリンター印刷 | ◎(長期保存に強い) | 社内メモ、簡易的な注文書など |
複写伝票 | 筆圧で同時に複数枚に記入。控えが残せる | 手書き | 〇(インク転写のため経年で薄くなる) | 納品書、請求書、作業報告書など |
感熱伝票 | 熱で印字。インク不要でスピーディ。 | 感熱プリンター | △(高温・日光に弱い) | レシート、タクシー・宅配伝票など |
どのタイプも一長一短。
まずはこの3種類の特徴を押さえることで、自分の業務や使い方に合う方向性が見えてきます。
では次に、実際にどんな使い方にどの種類が向いているのかを見ていきましょう。
2.どの伝票を選ぶべき?単式・複写・感熱の違いと選び方ガイド

「伝票って3種類あるのは分かったけど、どれがうちに合うの?」
そんな”伝票選び”で迷う方はとても多いです。
実際の使用シーンによって、最適なタイプは大きく変わります。
ここでは、それぞれの特徴とおすすめの使い方を、印刷現場の視点から分かりやすくまとめました。
単式伝票|シンプルで手軽な一枚タイプ
1枚だけの伝票で完結する、もっともシンプルな形式です。
コストが安く、すぐに記入・発行できるのが特徴。スピードを重視したい業務に向いています。
▼こんなときにオススメ▼
- 社内メモや日報など、控えを残す必要がない業務
- 飲食店などで、注文を手書きでサっと取りたいとき
- 短期間のイベント・臨時用途など、とにかく手軽さ重視の場面
▼ポイント▼
単式は“スピード重視・一時的な用途”に強いタイプ。
ただし、控えが残らないため、記録が必要な取引では複写伝票を選ぶのが安心です。
複写伝票|控えを残せる定番タイプ
複写伝票は、筆圧を利用して書いた内容を同時に複数枚へ転写できるタイプ。
「お客様用」「会社控え」など複数のコピーを残したい場面で活躍します。
▼こんなときにオススメ▼
- 納品書・注文書・請求書など、記録を残す必要がある業務
- 作業報告書など、現場と本部で共有したい書類
- 手書き対応が中心の小規模店舗・個人事業主
▼印刷現場のヒント▼
複写枚数は2枚~5枚までカスタマイズ可能。
印字が薄くなりやすい場合は、筆記具や紙圧を見直すだけで改善できるケースもあります。
感熱伝票|プリンター印字でスピード重視
感熱伝票は、専用プリンターで熱印字するタイプ。
レジ・タクシー・配送業など、処理スピードを求められる場面で多く使われています。
インク不要でメンテナンスがラクなのも、選ばれるの理由のひとつです。
▼こんなときにおすすめ▼
- POSレジやタクシーなど、プリンターで自動印字する場合
- 発行頻度が多く、1枚ごとの処理スピードを重視したい業務
- スタッフの手書き負担を減らしたいとき
▼注意ポイント▼
感熱紙は高温や光に弱く、長期保存には不向き。
領収書などを長期間保管したいときは、複写伝票と併用がおすすめです。
市販のレジロールなどでもよく使われる、最も身近な伝票タイプです。
どの伝票を選べばいいか迷ったら?|状況別おすすめ早見表
ここまで3つの伝票タイプをご紹介してきましたが、「結局どれを選べばいいの?」と迷う方も多いと思います。
そんなときは、まず下の早見表を参考にしてみてください。
状況 | オススメの伝票 | ポイント |
---|---|---|
発行枚数が少なく、控えを残す必要がない | 単式伝票 | とにかくコストを抑えて手軽に使いたい人にオススメ。 |
取引の記録を残したい・複数人で管理したい | 複写伝票 | 同時に控えが残るので、記録や共有が必要な業務に。 |
POSレジや機械からの印字が多く、スピードを重視したい | 感熱伝票 | 印刷が速く、インク不要で手間も少ないため、日常的な発行に便利。 |
3種類それぞれに強みと注意点があります。
用途や保存期間、作業方法に合わせて選ぶことで、日々の業務がぐっとスムーズになります。
次は、実際にどんな基準で選べば失敗しないのか、「伝票を選ぶ時のチェックポイント」を見ていきましょう。
3.伝票を選ぶときにチェックしたい2つのポイント

伝票の紙選びでは、「どんな印字方法で使うか」と「どれくらい保管したいか」をセットで考えることが大切です。
印字方法だけで選ぶと、保存期間の条件を満たせないケースもあるため注意しましょう。
印字方式と保管期間を考える
使い方に合わせて、選ぶ紙の種類は変わります。
- 手書き中心の業務 → 筆圧が伝わる「複写伝票」が安心。控えも残せます。
- プリンター印字が多い → レジや配送伝票などは「感熱伝票(感熱ロール紙)」が便利。
もう一つ大事なのが保存期間。
- 1年以内の短期保存:「感熱伝票」で十分。ただし高温・日光下では劣化が早まるため注意。
- 3年以上の長期保存:「複写伝票」や「単式伝票」など、インクで印字できる紙が安心。
感熱紙は高温や光に弱く、長期保存には不向きです。
領収書や契約書などを長く残したいなら、「複写伝票」を選びましょう。
▶詳しくは「複写伝票の保存期間は?劣化を防ぐコツを印刷会社が解説」で紹介しています。
市販で買う?印刷で作る?
少量・すぐ使いたいなら、文房具店や通販で買える市販伝票でも十分です。
ただし、項目を変えたい・ロゴを入れたい・複写枚数を増やしたいときは、印刷注文のほうが結果的にラクで確実。
市販は「すぐ欲しい・低コスト」、印刷は「業務にぴったり・使いやすさ重視」。
この違いを知るだけで、伝票の満足度がぐっと上がります。
▶詳しくは「伝票選びの決定版!市販品 vs 印刷会社発注、メリット・デメリットを徹底分析」で紹介しています。
4.よくある質問
A. 伝票は大きく「単式」「複写」「感熱」の3種類に分かれます。
それぞれの印字方式や用途が異なり、単式はシンプル、複写は控えを残す、感熱はプリンター印字が特徴です。
A. 感熱紙は光や熱に弱く、半年〜1年ほどで印字が薄くなることがあります。
長期保存が必要な場合は、複写伝票やスキャンによるデジタル保存をおすすめします。
A. 発行頻度が少なく、記録を残したいときは複写伝票のほうが経済的です。
一方で、レジや配送など発行回数が多い場合は、感熱伝票がスピードとコストのバランスに優れています。
A.一般的には2~5枚までが多く、用途に併せてカスタマイズできます。
例えば「お客様用・会社控え・会計用」の3枚複写にすれば、1回の記入ですべての記録を残せます。
A. 市販伝票はすぐ購入できて低コストですが、内容をカスタマイズできません。
印刷注文はロゴ入れや項目変更など自由度が高く、業務にぴったり合わせられます。
A. 使用シーン・印字方法・保存期間の3点を考えるのが基本です。
まず「どんな場面で」「どれくらいの期間使うか」を決めてから種類を選ぶと失敗がありません。
5.まとめ
どの伝票を選ぶか迷ったときは、**「どんな使い方をするのか」**という目的で考えるのが一番わかりやすいです。
- 単式伝票 → 控え不要・コスト重視
- 複写伝票 → 記録が必要・複数人で使う
- 感熱伝票 → 発行スピード重視・POSレジ対応
最初はざっくりとした基準で大丈夫です。まずは自分の業務スタイルに近いものを選んで、そこから細かい仕様を決めていくと失敗がありません。
また、「複写伝票」は「複写式伝票」、「感熱伝票」は「感熱ロール紙」などと呼ばれることもあります。
検索や注文の際は表記の違いにも注意しましょう。
市販品で十分な場合もありますが、
「項目を変えたい」「社名を入れたい」など、
自社専用の伝票を使うだけで業務の正確さや見た目の統一感もアップします。
ここまでで、自分に合った伝票タイプのイメージがつかめたと思います。
もし、実際に作る段階で迷ったら、印刷会社に相談してみるのもおすすめです。
用途を伝えるだけで、必要な枚数や紙質、複写の構成まで一緒に提案してもらえます。
また、実際の印刷見本を見るだけでも、仕上がりのイメージがつかみやすくなります