金券とクーポン券の違いについて

金券とクーポン券の違いとは?
用途・法的性質・印刷時の注意点まで徹底解説

1. はじめに

「金券とクーポン券って何が違うの?」
販促や集客の手段としてよく使われる両者ですが、意外とその違いを正確に理解していない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、金券とクーポン券の違いを分かりやすく解説しながら、用途や法律・税務上の取り扱い、印刷時の注意点までを網羅します。特に、販促に印刷物を活用されている企業様には必見の内容です。

2. 金券とクーポン券の定義と基本的な違い

まずはそれぞれの基本的な性質を確認しましょう。

金券とは?

金券とは、現金と同様に使える券のことを指します。
代表例としては以下のようなものがあります。

  • ・商品券(全国百貨店共通券、JCBギフトカードなど)
  • ・図書カード、QUOカード
  • ・ビール券、お米券

これらは金銭的価値を有し、物やサービスの購入代金に全額充当できます。


クーポン券とは?

クーポン券は、特典や値引きと引き換えに使われる券です。主な種類は以下の通り。

  • ・割引券(「○○円引き」「10%オフ」など)
  • ・無料券(「ドリンク1杯無料」など)
  • ・典券(「ポイント2倍」「ノベルティ進呈」など)

現金の代替ではなく、販売促進を目的とした補助的なツールです。


違いの早見表

項目金券クーポン券
性質現金に近い価値を持つ値引き・特典などの補助券
使用方法額面の範囲内で支払いに使える対象商品や条件に応じて割引・特典
法的区分前払式支払手段に該当する場合あり法的な制約は少ない
会計処理使用時に売上計上値引き処理されることが多い
換金性あり(規制あり)なし



3. 法的な観点から見る違い

金券:資金決済法の規制対象になる場合も

金券のうち、発行者が自社の商品・サービスに使用できる「自家型前払式支払手段」や、他社商品に使える「第三者型前払式支払手段」は、資金決済法の規制対象になります。

特に以下のような場合は注意が必要です。

  • ・未使用残高が1,000万円を超える場合:登録義務
  • ・有効期限がある/ない場合の表記義務
  • ・払戻しのルールを明記する義務 など

クーポン券:原則として法的な規制なし

一方で、クーポン券は値引きやサービスの提供にとどまるため、法的な制限はほとんどありません。ただし、景品表示法(景表法)や不当表示の禁止には配慮が必要です。



4. 会計・税務上の取り扱いの違い

金券とクーポンでは、会計処理や消費税の扱いにも違いがあります。

金券の会計処理

  • 販売時:売上計上しない(前受金として処理)
  • 使用時:売上計上(サービス提供時)

※基本的に消費税は使用時に発生

クーポン券の会計処理

  • ・使用時に値引き・販促費として処理
  • ・値引き扱いのため、課税売上が減少する形になる
  • ・販促費として計上するケースも多い

会計処理の区分が明確に異なるため、税理士・会計士への相談が望ましい場面もあります。




5. 印刷会社としての視点:デザイン・制作時の注意点

金券印刷の注意点

  • 偽造防止加工(ナンバリング、ホログラム、透かし印刷など)
  • ・額面・有効期限・使用条件の明記が必須
  • ・印刷内容の記載ミスがトラブルのもとに
  • ・厳重な管理体制も求められる

クーポン券印刷の注意点

  • ・販促色を打ち出したキャッチコピー・デザインが重要
  • ・有効期限や使用条件(「併用不可」など)を明確に記載
  • ・チラシ・DM・パッケージなどと併用する設計が多い
  • ・比較的自由度が高く、小ロット印刷にも向く


6. よくある質問(FAQ)

Q. 金券に有効期限を設けても問題ないですか?

A. 有効期限の設定は可能ですが、その旨を明記する必要があります。
  期限後の扱いについても記載するのが望ましいです。

Q. クーポン券を譲渡しても問題ない?

A. 原則問題ありませんが、「本人限定」など条件を設定することは可能です。
  券面に明記しましょう。

Q. 自社で金券を発行しても違法ではない?

A. 一定額未満かつ自家型であれば違法ではありません。
 ただし、残高が1,000万円を超える場合は資金決済法の登録が必要です。


Q. 金券とクーポン券を併用して発行することは可能?

A. 可能ですが、利用条件が複雑化するため、ユーザー目線で設計することが大切です。



7. まとめ

金券とクーポン券は、似ているようでその目的・取り扱い・リスクが大きく異なります

  • ・金券は「金銭に近い」性質のため法規制・会計処理が厳密
  • ・クーポン券は「販促ツール」として自由度が高く活用しやすい

それぞれの特性を理解し、用途に応じて最適な形式を選ぶことが成功のカギです。


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「どちらを選べばいいか迷っている」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。