領収書の但し書きとは?地雷原と印刷設計で減らす回避ポイント

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領収書の但し書きで困るのは、
結局「何と書けばいいかわからない」という点ではないでしょうか。

しかも現場では、但し書きが空欄だったり、
印字や複写が薄くて後から困る領収書も普通に出てきます。

たとえば空欄(但し書きなし)や「お品代」「雑費」など、
曖昧な書き方が地雷になりやすいです。

結論から言うと、但し書きは「何の支払いか」を残す欄
迷ったら「名詞 + 代として」で一旦完成させ、必要ならば()で補足すればOKです。

この記事では、
受け取った側が迷わない書き方と、
書き忘れ・判読不能を減らす「欄の見せ方」「欄幅」「複写前提の紙面設計」で、
事故を減らす考え方をまとめています。

※運用は会社や取引先のルールで変わるため、本記事は税務・法務判断を断言しません。
迷う場合は社内ルール/取引先/顧問税理士などで確認してください。


但し書きとは

領収書の但し書きとは何の支払いかを残す欄だという説明と基本ルールを羅列した画像

領収書の但し書き(ただしがき)とは、
支払い内容(何に対する代金か)を示すための記載欄です。

この但し書きは、会社の経理処理で「取引の中身を特定するため」に必要になります。

金額や宛名のみの記載だと、その支払いが何の取引か判断できず、
経費精算・承認・仕訳などの処理時に、支払い内容が特定しづらくなります。

そのため、書き方にも「取引が伝わる形」に寄せるのが基本です。

具体的に:取引の内容を明確にするため
短く:要点を簡潔に伝え、誤解を減らすため
読めるように:手書きや複写でも内容が残るようにするため

この3点を満たしやすい一般的な型が、よく使われている
「〇〇代として」です。

では、実際にどんな書き方になるのか、よく使われる例を先に見てみましょう。


よく使われる但し書きの例

上のルールを、そのまま当てはめた例です。
※一般的な例であり、自社・取引先のルールがある場合はそちらを優先してください。

書籍代として
→ 一般的に使われている最短の基本型

消耗品代として
→ カテゴリでまとめる

文房具代として(店舗名:〇〇)
→ 括弧で補足情報を追記する(短く補足したいとき)

2月分、会議飲食代として
→ 月、用途を足して、内容を特定しやすくする

交通費として(○○~△△まで)
→ 具体的な区間を補足する

贈答品代として(〇〇宛)
→ 用途・相手を補足する

セミナー受講料として
→ サービス名で具体化する

〇〇制作費として
→ 目的が伝わる形にする

💡ポイント
補足は足しすぎないのがポイントです。
補足が増えすぎると、次章で紹介する「地雷原」の但し書きになりやすいです。


迷ったときの一行ルールはこの2つだけです。

・まずは「名詞+〇〇代として」で一旦完成させる
・それでも伝わりにくいときだけ、括弧で補足する
(例:店舗名/月/区間/宛先など)

これだけ意識すると、失敗せずに作りやすくなります。


但し書きの地雷原|意外と見落としがちな落とし穴

領収書の但し書きの地雷原を解説する章の見出し画像、但し書きが空欄の領収書

次は、よくある但し書きにおける失敗例、
――いわゆる「地雷」について紹介していきます。

ここでいう「地雷」は、税務の正解・不正解を断言する話ではありません。
受け取った側が内容を特定できず、精算・承認・仕訳が止まりやすい書き方を「地雷」として整理します。

そして、但し書きの地雷は、
書く側(発行する側)だけでなく、頼む側(受け取る側)の指定によっても生まれます。

自身が「地雷の但し書き」を書かないよう、ここできっちり整理しておきましょう。


地雷1:空欄(但し書きなし)【書く側】

よくある地雷その①。
そもそも但し書きがないパターンです。

情報がゼロなので、取引内容を特定できず止まりやすくなります。

結果として「誰に何を説明すればいいか」も分からず、
精算が遅れたり、最悪使えない領収書になりがちです。

具体例
但し書きが空欄のまま渡され、
あとで「これ何の支払い?」となって精算がストップした。


地雷2:「お品代として」「雑費として」【書く側/頼む側】

よくある地雷その②。

書く側としても頼む側としてもラクですが、
中身の具体性がなく、勘定科目や用途がわかりにくい書き方です。

内容が曖昧だと、社内で”要件を満たすか”の確認が入りやすくなります(※最終判断は運用次第)。

特に、消費税率が絡む取引(軽減税率/税率混在など)だと、
但し書きが曖昧なだけで「何を買ったのか」が説明しにくくなり、処理が止まりやすいです。

具体例
消費税率が混在している領収書でも、まとめて「お品代として」として渡された。
経理側としては10%と8%であっても混在してるので非常に困った。


地雷3:「クレジット決済として」【書く側/頼む側】

但し書きが支払いの方法(クレジットカード)だけになるパターン。
主にカード決済の時に起こりがちです。

これが地雷になりやすい理由はシンプルで、
“何の支払いか(取引内容)”が残らないからです。

社内ルール次第では、経理側が内容を特定できず、
差し戻しや追加資料(明細・注文書・レシート)の提出を求められやすくなります。

なお、印紙税の扱いでよく混乱しますが、ポイントはここです。

そのため、店側が但し書きなどに「クレジットカード利用」などを入れる運用があります

つまり「内容が分からない地雷」とは別軸で、
店側の印紙税トラブル回避の都合で入ることがある、という理解でOKです。

回避するなら、取引内容(〇〇代)を先に書いた上で、
必要なら()で「クレジットカード利用」を添える、
内容→支払方法の順にするのが安全です。

具体例:
出張先のホテルで領収書を貰ったら、但し書きが「クレジット決済として」だけ。
経理から「宿泊代なのはわかるけど、明細がないと処理できない」と言われた。


地雷4:長文【頼む側】

但し書きとして書く文章が長くなるパターン。
但し書きにグループや団体名を記載したり、購入品目全てを記載するように頼むときに起こりがちです。

これは、税務の正解・不正解とは別に、運用上の事故――、
読みにくい/誤解されやすい/複写で潰れやすい/現場が回らないなどの問題が増えやすくなります。

「具体的に書きたい」ほど地雷に近づくので、
情報は増やすより”要点だけ残す”発想の方が安全です。

具体例
「ペン〇本、ノート〇冊、消しゴム〇個…」のように品目を羅列するよう求められ、
書くのに時間を取られてしまった。


地雷5:文字が小さい/複写に移らない【書く側】

地雷5:文字が小さい/複写に移らない【書く側】の見出し直下の画像、複写式の領収書のイメージ画像

但し書きは書かれているものの、判読できないパターン。
文字が小さかったり、控え(複写)側にうまく写っていない…というケースは意外と多くあります。

もちろん字のクセや筆圧など「個人差」もあります。
ただ、但し書きの欄が狭いなど、領収書側の設計が原因になっている場合もあります。

欄が狭いと文字が収まりきらず小さくなり、結果として筆圧も弱くなって、
複写枚数によっては下の紙まで写りきらず”書いたのに空欄っぽく見える”状態になりやすくなります。

これは、「書く人の問題」だけではなく、欄設計で回避できる地雷でもあります。
(例:但し書き欄を広めに取る/下線を入れる/罫線を薄くして書きやすくするなど)

複写は下の控えほど薄くなりやすいので、
控え側で読める」前提で欄サイズを決めるのが安全です。

具体例:
但し書き欄が1行で狭く、文字が擦れて控えにほぼ写っておらず、
後になって「これって何代?」と発覚した。


印刷設計から見る地雷原の回避方法

ここまで紹介してきた但し書きの「地雷」は、
本来は書く側・頼む側がそれぞれ知識と判断を持つ必要がある領域です。

しかし、全部は無理でも、
領収書の紙面設計で”踏みやすい地雷”を減らすことはできます。

ここでは、市販品を選ぶとき/自作で領収書を作るときに効く、
紙面でできる地雷回避を、具体例つきでまとめています。


1)但し書きの「存在感」を出す

但し書き欄は、法令で一律の書式が決まっているわけではないため、
領収書によっては「但」の表記だけで、記入場所が目立ちにくいものもあります。

これ自体は間違いではありません。

しかし、人間は「ここに書く場所だ」と認識しにくい箇所は見落としやすく、
結果として”空欄(但し書きなし)”が起きやすくなるのは自然な流れです。

そこで、紙面側でできる小さな工夫として、

・「但」ではなく、「但し」
・書くスペースの後ろに「として」
・記入スペースに下線(______)を挿入

といった工夫ができます。

例:但し _____________ として
※市販品でもよくある表記

意外と小さな差ですが、
これだけで書き忘れ(空欄)が起きる確率を下げやすくなります。


2)但し書き欄を”小さくしない”

領収書には、日付・宛名・金額・税率・支払方法など、書く項目が多いです。
その結果、自作では特に但し書き欄が後回しになって狭くなりがちです。

しかし、欄が狭いとこういう事故が起きやすくなります。

・文字が収まらず字が小さくなる
・急いで書くと、文字が擦れる/読めない
・複写式なら控え側が薄くて判読できない

などです。

つまり、文字が小さい/複写に移らないなどの地雷は、
“書く人の問題”だけでなく、紙面が字を小さくさせているケースも混ざります。

設計時の考え方はシンプルで、
「よくある1文がムリなく入る」サイズを先に想定して欄を決めるのが安全です。

特に、印刷会社に発注する場合は、
この欄幅を「よく使う1文」に合わせて調整できます。

例として、
「2月分 会議飲食代として(〇〇店)」
と、このくらいが詰めずに入るくらいの枠があれば、
差し戻しや”読めない・写らない”などの事故を減らしやすくなります。


3)まとめると…

紙面で減らせる地雷は、大きくこの2つ。

・空欄(但し書きなし) → 但し書きの存在感を出す。
・文字が小さい/複写に移らない → 但し書き欄を小さくしない。

これらは、ほんの小さな工夫から減らすことができます。

市販品の領収書を買う際や、自作の領収書作成やテンプレートから選ぶ際には
これらのことを意識しておくだけで、「何の支払い?」の差し戻しが起きにくくなります。


まとめ|領収書の但し書きとは「何の支払いか」を残す欄

領収書の但し書きは、支払い内容(何に対する代金か)を示す欄です。
金額や宛名だけだと取引の中身が特定しづらく、精算・承認・仕訳が止まりやすくなります。

迷ったときは、まず「名詞+〇〇代として」の形にして、
必要な時だけ括弧で補足(店舗名/月/区間など)を足すのが安全です。

・例:書籍代として/消耗品代として
・例:会議飲食代として(〇〇店)/交通費として(〇〇~△△)

また、今回紹介した「地雷」(内容が特定できない/読めない・写らない)は、
紙面設計で踏みにくくできます。

市販品でも発注品でも、領収書を選ぶときにこの点を意識しておくと安心です。


また、当社でも領収書テンプレをいくつか用意しています。

「まず形から見たい」「自作の叩き台がほしい」場合は、例としてどうぞ。
ちなみにこのページは、Web上で編集してそのまま注文まで進めます。

かんたん領収書(Web編集)を見てみる