テンプレでも手作りでも使える!チケットを“きれいに見せる”デザインの基本

チケットの見やすさとデザイン品質を上げる4つのポイントをまとめた記事のファーストビュー

チケットを見ていて
「なんか見やすいな」「まとまってるな」
と感じることがありませんか?

その”なんとなくの見やすさ”は、
デザインの細かい工夫が効いているからです。

印刷会社として毎日いろんなデータを見ていると、
良いチケットには共通する4つのポイントがあります。

・色の合わせ方
・フォントの選び方
・配置のバランス
・余白の取り方

どれも難しいテクニックではなく、
テンプレートを使う人でもすぐ取り入れられるものばかり。

弊社のテンプレートも、
これらのポイントを意識してデザインしています。

この記事では、この4つを
“見て比べらればすぐわかる形”で紹介します。

目次


色:読みやすくて見た目も整う“色選び”の基本

チケットデザインの色選びで重要な明度・彩度・色数・雰囲気の4ポイントをまとめた章のタイトル画像

チケットをオシャレに仕上げるには、まず「色選び」がとても大事です。

特にスマホでテンプレートを使う場合は、
色の明るさ
・鮮やかさ
・色数のバランス
を整えるだけで、見やすさがぐっと変わります。

ここでは、
チケットデザインの土台になる“4つの基本”をまとめています。


明るさ(明度)で読みやすさが決まる

色選びでまず意識したいのが「明度(明るさ)」です。

背景が暗いほど文字が沈みやすく、
スマホでも紙でも読みづらく見えることがあります。

印刷は、画面より少し暗く仕上がることも多いため、
背景は明るめの色にしておくと安心です。

明るさ(明度)選びのポイント
・白、薄いグレー、淡いベージュは特に見やすい
・コントラストが低いと可読性が下がりやすい
・背景が濃い場合は、文字を白・太字にすると読みやすくなる

迷ったら「明るい背景」を選ぶと、仕上がりの安定感がでます。


鮮やかさ(彩度)が高すぎると見づらくなる

次に大事なのが彩度(色の鮮やかさ)

ビビッドな原色は、
黒文字との相性が悪かったり、目が疲れやすかったりします。

逆に、少し彩度を落とすだけで読みやすさが一気に改善します。

鮮やかさ(彩度)選びのポイント
・Canvaのカラー調整で「彩度 -20 ~ -40」くらいが安定
・特に赤・青・緑は彩度を落とすと整いやすい
・”薄めの色”の方が印刷でもキレイに出る傾向がある

「色が強すぎて読みにくい」と感じるときは、
彩度が原因のことがおおいです。


色選びに迷ったら「2色+アクセント1色」でOK

色数が多くなるほど、全体がまとまりにくくなります。
最初は2色だけでベースを作るのがおすすめです。

そこに、タイトルや数字など「目立たせたい部分」だけ
アクセント色を一つ加えると、
すっきり見えてバランスもとりやすくなります。

【2色+アクセント色のポイント】
・ベースカラー:全体の土台になる色
・サブカラー:文字や補助的な部分に使う
・アクセント:強調したい場所に1箇所だけ

“紙の色”を使うことで実質2色構成にする方法もあります。
(お祭り券や引換券など に多いパターン)


イベントの雰囲気に合わせて色を選ぶ

最後は、イベントの世界観に合わせた色選び。

色にはテーマとの相性があり、
ここを意識すると”雰囲気の統一感”がでます。

雰囲気と色選びの例
・お祭り・縁日:赤、黄、紺の元気な色
・ハンドメイドイベント:薄いピンク、ベージュ
・ライブ・ステージ系:黒+ビビッドカラー
・学校イベント:青、緑など明るめでさわやか

テンプレートを選ぶときの最後の仕上げとして、
イベントの空気感を思い浮かべると選びやすくなります。


フォント:読みやすさは用途で変わる

チケットで読みやすさを作るためのフォントの種類・強調・サイズ設定の基礎をまとめた章のタイトル画像

フォントは、文章の「読みやすさ」と「伝わり方」を左右する大事な要素です。

特にチケットのように情報が限られたスペースでは、

・書体の種類
・強調の付け方
・サイズや行間の取り方

この基本3点が整うだけで、内容が正確に届きやすくなります。

ここでは、
フォント選びで押さえておきたい”3つの基礎”をまとめています。


フォントの違いは印象の違いに繋がる

フォントは読みやすさだけでなく、イベントの雰囲気にも関わります。
どのフォントが優れているという話ではなく、”用途に合うか”で選ぶのがポイントです。

フォント選びの場面と例
ゴシック体
読みやすく、視認性が高い
→ライブ、お祭り、学園祭、スポーツイベントなど
動きのある・元気なイベントに向く

明朝体
落ち着き・上品・フォーマルな印象
→クラシックコンサート、舞台、演劇など
静か、荘厳や格式を重視する場面に向く

中関係のフォント(游ゴ・ヒラギノなど)
かしこまりすぎず、砕けすぎない
→幅広い用途で使える”標準フォント”


強調の付け方で「情報の優先順位」が決まる

同じ文でも、強調の付け方ひとつで、
「どこから読むか」が変わります。

強調のポイント
全部が太字
→重要箇所がわからず、読み始めるポイントが曖昧になる。

タイトル(または1~2ヵ所)だけ太字
→一目で”主役の情報”が見つかり、内容が理解しやすくなる。

※ 人の目は、濃いもの → 大きいものの順に読むため、
入り口が1つに絞られていると理解が早くなります。


文字サイズと行間は「読みやすさ」を左右する

文字のサイズや行間は、読み心地に直結します。

【よく使われる文字サイズ(150×50mmの一般的チケット)】
基本(本文)
8~9pt
→ 一番多い文字サイズ
→ 行間は1.2~1.4が一般的

強調(見出し・タイトル)
12~14pt
→ イベント名、券種(前売り券/整理券/入場券など)
→ スマホでCanva制作でも崩れにくい
16~20pt
→主催者名を大きく見せたい場合や「LIVE 2025」などのメインタイトル

注意書き(最小値)
・6~7pt
→これが”最小ライン”のサイズ
→ 6ptを割ると、印刷の際に文字が潰れやすい


注意点:特殊なフォントの場合

特殊フォントは印刷会社やコンビニのプリンタで対応していないことがあります。
(PDF印刷の場合)

どうしても使いたい場合は、PDFではなくJPGで保存することで印刷可能です。
ただし、PDFより文字の輪郭が弱くなる場合があります。


配置:情報の優先順位は“視線の導線”で決まる

視線の流れを整えるための入口作り・グルーピング・整列の3要素を示したチケット配置の章のタイトル画像

チケットが「読みやすい・分かりやすい」と感じる最大の理由は、
視線がどこへ流れるか=配置が整っているからです。

文章量が同じでも

・配置が崩れている → 情報が混ざる
・配置が整っている → 一瞬で理解できる

この差がはっきり出ます。

ここでは”視線が流れやすくなる配置”のコツをまとめています。


読み始めが1つに決まっているか?

まず最初に見るべき”入口”が1つに決まっていると、
情報がすっと頭に入ります。

読み始めを作るポイント
・タイトル(or 券種)を最も目立たせる
・太字の乱用で”入口が複数”になるのを避ける
右上に強調を置かない(導線が分裂する)


近い情報はまとめて、違う情報は離す(グルーピング)

情報が混ざって見えるのは
距離の差がない = どれも同じグループに見える
のが原因です。

グルーピングのポイント
・ひとまとまりの情報は”密度を近く”
・種類が違う情報は”距離を離す”
・3ブロック程度に収めると整理されやすい


揃えるだけで読みやすさが一段上がる

整列(アラインメント)はシンプルだけど効果が大きい。

アラインメントのポイント
・原則は”左揃え”が一番読みやすい
・センター揃えはタイトルや短文だけに使う
・目に見えない”縦ライン”が揃うと視線が滑らか


この3つが整うと、次に重要になるのが「余白」。
余白は“配置の見やすさ”を一段上げる要素なので、次の章で詳しく紹介します。


余白:素人感・プロ感を分ける最大要素

読みやすさと情報整理を高める余白の取り方と効果をまとめたチケットデザインの章のタイトル画像

余白は「何もない空間」なので気づきにくい部分です。
ですが、チケットの見やすさや印象を大きく左右します。

テンプレートを選ぶときにもそのまま使える、
「余白の見方」だけに絞って説明していきます。


余白がないと”読む前から疲れる”

情報が詰まりすぎていると、
読む前から「うわっ…」と感じてしまいます。

逆に、周囲に1文字分くらいのゆとりがあるだけで、
読み始める前のストレスが軽くなります。

余白づくりのポイント】
・文字の外側にスペースがあるだけで印象が変わる
・情報の種類ごとに少し区切るとスッキリする
・余白が少しあるだけで読み始めやすくなる


まとまりがあると読みやすさが跳ね上がる

余白はただの空白ではなく、
「情報の境界線」として機能します。

同じ種類の情報がまとまっていると、
読む前に”意味のまとまり”が直感で分かります。

まとまりを作るポイント
・同じカテゴリの情報は近くに置く
・注意書きは少し離すと読みやすくなる
・余白は情報整理のツールとして使う


余裕があるテンプレは崩れにくい

余白が多いテンプレートは、
後から情報を足しても崩れにくいです。

反対に、最初から文字が詰まっているテンプレは、
一行増えただけでレイアウトが崩れやすくなります。

テンプレ選びのポイント
・余白が多いテンプレは編集耐性が高い
・情報を足しても縦ズレ・行ズレが起きにくい
・Canva初心者は余白多めのテンプレを選ぶと失敗しにくい


余白は目立たない存在ですが、
チケットの印象を大きく左右する”静かな主役”です。

読みやすさ、統一感、編集しやすさ――
どれも余白ひとつで変わります。

「何を置くか」よりも先に、
「どれくらい余白があるか」を見ると、
テンプレート選びがぐっと楽になります。


チケットのテンプレートを探したいときは?

Canva・ラベル屋さん・AC系サイト・印刷会社などチケットテンプレート探索の3タイプをまとめた章のタイトル画像

「テンプレ、どこで探せばいいの?」
という人向けに、目的ごとに3タイプだけ紹介します。

・テンプレートそのものを配布しているサイト
・デザインを調整用の素材サイト
・テンプレから印刷までできる印刷会社

どれか1つでも使えればOKです。
用途に合うところだけ軽く触れてみてください


無料テンプレートをそのまま使いたい人向け

スマホ・PCどちらでも使える定番サービス
「チケット」で検索すると、イベント用のテンプレが大量に出てきます。

・無料テンプレが多い
・スマホ向けでも編集しやすい
・色や文字を変えるだけで形になる

Canvaでのチケットの作り方
スマホでできる!Canvaで作るチケットの作り方|印刷で失敗しない完全ガイド


番号札・抽選券・イベント用カードなど、
サイズが決まっているテンプレが多いサイト。

日本のサービスなので、
テンプレートのサイズも、日本標準になっている。

・用紙サイズ。レイアウトが最初から決まっている
・家庭用プリンターとも相性〇
・シンプルに仕上げたい人に強い


デザインを少し整えたい人向けの素材サイト

イラスト素材用の配布サイト。

・可愛い系~シンプル系まで幅広い
・イベント系チケットとの相性が良い
・色を変えやすい素材が多く、Canvaとの相性も〇


写真素材用の配布サイト。

・背景、枠、飾りなど“デザインを締める”素材が豊富
・テンプレに“質感”を足すときに便利
・文字を囲むだけで一気に整う素材が多い


世界観づくりに最適。

・独特のタッチで“雰囲気が一気に出る”
・学校行事、地域イベント、子ども向け企画との相性が強い
・使いすぎ注意だが、1点だけ入れるとアクセントになる


テンプレからそのまま印刷までお願いしたい場合

●プリントフェスタ(当社のチケット印刷)

社内デザイナー作成のテンプレートを使い、
そのまま印刷までスムーズに流せます。

・印刷前提のレイアウト
・情報を足しても崩れにくい
・紙・ミシン目・加工など印刷仕様が選べる

テンプレ → 編集 → 印刷
まで一気に進めたい人向けの選択肢です。

プリントフェスタ|デザインテンプレートのページへ


まとめ:判断材料があればテンプレはもっと使いやすくなる

チケットのデザインには
「絶対の正解」はありません。

でも、読みやすい・伝わりやすいを作るための
“判断材料”は確かにあります。

この記事では、
・色
・フォント
・配置
・余白
この4つを、
見て比べるだけでわかる形にしてきました。

テンプレートはそのまま使えて便利ですが、
ちょっとした微調整だけで仕上がりが一気に変わります。

「どれが正解?」ではなく、
自分のイベントに合うかどうかを選べる状態になることが大事です。


▼ 次に知っておくと強いのが”全体の作り方”

デザインの判断材料が揃ったら、
次はチケットをどう作るかの全体像を知る段階です。

下の記事では、スマホ・手書き・印刷会社に発注の3つの方法を軸に
チケットを完成させる方法を整理しています。

迷わず進めてい人にピッタリです。

初めての手作りチケット|スマホ・手書き・印刷での作り方&選び方まとめ