伝票製本の種類と加工
伝票製本は、主に「天のり製本」「針綴じ製本」「セットのり製本」の3つの製本に大別されます。以下にその特徴や用途、加工内容を解説しますので、利用目的に合った製本方法の選択にお役立てください。
1. 天のり製本 (のり固め製本)
〇 特徴: 用紙の上部(及び左右)を糊で固めて冊子状にする製本方法です。用紙をのり固め後に、マーブルやクロスの製本テープで、底紙の台紙と表紙をのり付けして冊子にします。メモ帳やブロックメモのように、1枚ずつ剥がして使用します。複写ではない単票の伝票(領収書、請求書など)によく見られます。
複写の場合は1冊を30組、50組を綴るのが一般的です。単式の場合は、1冊100枚綴りにするのが多いです。
〇 メリット:
・比較的安価に作成できる。
・1枚ずつ手軽に切り離せる。
・まとめて管理しやすい。
〇 用途: 単票の領収書、請求書、作業報告書、簡単なメモ帳など。

〇 マーブル巻き(クロス巻き)
ブロック状にのり固めした用紙を、表紙と台紙(底紙)で挟みのり付けすることをマーブル巻きといいますが、テープの材質がマーブルなので、マーブル巻きと呼ばれます。同じくクロス巻きも、材質がクロスなのでクロス巻きになります。

〇 ブロック製本
ブロック製本は、単式伝票の場合は、表紙をつけずに50枚や100枚を1冊にして糊で固めたものです。複写の場合も表紙をつけずに、2枚複写、3枚複写等を30組、50組を1冊にして糊で固めます。ブロック製本は、表紙や底紙の台紙がなく、安価な製本方法で伝票やメモ用紙などに多用されます。

2.針綴じ製本(ミシン目入り)
〇 特徴: 伝票の一部にミシン目を入れて、更に針で綴じて、ミシン目で切り離せるようにする製本です。複写伝票の場合、控えを残しつつ本体から切り離すために使われます。地域によっては、クロス巻製本と呼ばれています。
〇 メリット:
・必要な部分だけを切り離して渡せる。
・2枚目、3枚目を切り離し、控えを本体に残して、冊子のまま保管できる。
〇 用途: 領収書の控え、納品書の受領印欄、チケットの半券、クーポン券など。
〇 ミシン目加工
通常ミシンは、ミシン目のピッチで紙が切れるカット部分が2.0mmで、紙が切れないアンカット部分が0.6㎜です。このピッチのミシン刃を、マイクロミシンと比較して通常ミシンと呼んでいます。

3. セット糊製本 (複写式伝票)
〇特徴: 複数の用紙(通常はノーカーボン紙)を重ねて、2枚複写、3枚複写ごとにのり付けします。1冊30組、50組等の冊子に製本しないで、複写組ごとにバラバラです。複写は、4枚複写以上も可能です。この製本形式は、契約書、申込書、(作業)指示書などに多く活用されます。
〇メリット:
・移動で持参する際に、一冊まるごと持参する必要がなく、必要組数だけを手軽に持参できる。
・下敷きがなくてもテーブルなどで、直接記入することも可能である。
- 〇 種類:
- ・2枚複写: 1枚目(控)+2枚目(相手用など)
- ・3枚複写: 1枚目(控)+2枚目(相手用)+3枚目(社内用など)
- ・4枚複写以上: さらに多くの用途に合わせて枚数が増えます。
- 〇 用途: 納品書、請求書、領収書、作業指示書、契約書控えなど、複数の関係者間で同じ情報を共有する必要がある場合。

これらの製本方法や加工を組み合わせることで、多様な用途の伝票が作成されます。伝票を作成する際は、どのような用途で、誰に何を渡すのか、控えは必要なのかなどを明確にすることで、最適な製本方法を選ぶことができます。

〇 下記の頁で3つの製本形式に対応しています。