紙のA判、B判(四六判)の違い
紙のサイズには様々な規格がありますが、特に「A判」「B判」そして「四六判」はよく耳にするものです。「A判」「B判」以外にも紙の用途に応じで、菊判、ハトロン判等様々な企画がありますが、ここでは、「A判」「B判」の違いを分かりやすく解説します。
1)A判
国際規格 (ISO): A判は国際標準化機構(ISO)で定められた国際規格の用紙サイズです。世界中で広く使われています。
- 特徴: 縦横比が常に 1:2 になるように設計されています。この比率は「白銀比」と呼ばれ、紙を半分に折っても縦横比が変わらないため、無駄なく効率的に断裁できるという特徴があります。
- サイズ展開: A0が最も大きく、数字が大きくなるほどサイズは小さくなります。
○A0: 841 mm × 1189 mm
(面積は1平方メートル)
○A1: 594 mm × 841 mm (A0の半分)
○A2: 420 mm × 594 mm (A1の半分)
○A3: 297 mm × 420 mm (A2の半分)
○A4: 210 mm × 297 mm (A3の半分)
(一般的なコピー用紙)
○A5: 148 mm × 210 mm (A4の半分)
○A6: 105 mm×148 mm
以下A7と続きます。

2)B判 (B Series)
日本独自の規格 (JIS):
B判は日本産業規格(JIS)で定められた、日本独自の用紙サイズです。
元々江戸時代に障子などに使われていた美濃紙(みのがみ)のサイズを元にして定められた「日本伝統の規格」の紙です。 主に日本、中国、台湾で使われています。

- 特徴: A判と同様に、縦横比は 1:2です。A判よりも一回り大きいサイズが特徴です。
- サイズ展開: B0が最も大きく、数字が大きくなるほどサイズは小さくなります。
○B0: 1030 mm × 1456 mm (面積は約1.5平方メートル)
○B1: 728 mm × 1030 mm (B0の半分)
○B2: 515 mm × 728 mm (B1の半分)
○B3: 364 mm × 515 mm (B2の半分)
(新聞の折り込みチラシによく使われる)
○B4: 257 mm × 364 mm (B3の半分)
○B5: 182 mm × 257 mm (B4の半分、
(週刊誌や大学ノートによく使われる)
以下B6と続きます。

3)四六判 (Shiroku-ban)
● 原紙のサイズ: 四六判は、もともとは原紙(印刷会社が仕入れる大きな紙)の規格の一つです。その寸法は 788 mm × 1091 mm です。これは、明治時代にイギリスから輸入されたクラウン判という紙が元になっています。
● 書籍の判型: 一般的に「四六判」と言うと、この原紙を裁断して作られる書籍の仕上がり寸法を指すことが多いです。この場合、約 130 mm × 188 mm のサイズになります。これは、原紙から32分の1(つまり、16面付けで両面印刷し、さらに半分に折って製本)に裁断すると、横4寸、縦6寸の本になったことに由来すると言われています。
● B判との関連: 四六判の原紙は、B判系列の印刷物を作る際に効率よく断裁できるため、B判の印刷物に使われることが多いです。B6判(128mm × 182mm)とサイズが非常に近く、混同されることもありますが、厳密には異なります。
このように、A判とB判は国際規格か日本規格かという違いがあり、どちらも特定の比率に基づいてサイズが展開されます。一方、四六判はもともと原紙の規格であり、そこから作られる書籍の判型としても使われる、という点が大きな違いです。またA版でも、A判の印刷物に塗り足しがある場合、製本のための余白が必要な場合は、菊判(A判より一回り大きい紙)の紙を使うのが一般的です。
まとめ
規格 | サイズ | 主な用途 |
A判 | 841 mm × 1189 mm | 国際標準規格の用紙で、世界中で広く使われている。 |
B判 | 1030 mm × 1456 mm | 江戸時代の障子に由来のある日本独自の規格。 |
四六判(原紙のサイズ) | 788 mm × 1091 mm | 一般にB版の印刷物で、印刷物の塗り足しがある場合、製本余白が必要な場合に、四六判が代用される。 |
※四六判は原紙のサイズです。印刷会社などでB判の規格に加工されます。